国会攻防(2)
先日のブログ、『国政・市政報告会』で「道路特定財源・暫定税率」について民主党
衆議院議員 渡辺周氏が話したこと及び配布されたQA集に記載されたポイントを
以下記す。
※ 道路特定財源を含む自動車関係諸税は余りにも複雑でその上一部は二重課税
となっていて、自動車ユーザーに過重な負担を強いている。
具体的には、二重課税は自動車取得段階にかかる自動車取得税(車両価格の
5%)と消費税、および保有段階にかかる自動車税と自動車重量税。民主党は
それぞれ消費税、保有税に一本化することを主張。
※ なぜ特定財源を一般財源化するのか?
戦後復興から高度成長期、バブル、「失われた10年」などを経て社会・経済状況
は大きく変化した。このような時代の変化(国際化、情報化、高齢化など)の中で
道路整備のみに特定の財源を割り当てることは社会のニーズに呼応したもの
ではない。
その時点あるいはその地域に最も重要な政策ニーズに対応していくことが常に
求められる。
※ なぜ暫定税率を廃止するのか?
暫定税率は、1974年第2次オイルショックで石油が高騰した時期、石油消費を
抑制することを目的に設けられた。しかし結果として、価格による消費抑制は
できなかった。現在も石油は高騰しているが価格が上がっても消費は抑制され
ないことは経験済み。
その意味では、国民の生活を守り、経済の安定を図るために暫定税率を廃止し
ガソリン価格を引き下げるべきである。
※ 暫定税率を廃止すると地方で道路が造れなくなるのではないか?
国が直轄事業を行う場合、地方は受益者負担の名目で、強制的に事業費の
1/3を負担してきた。この「直轄事業負担金(07年ベースで1兆円)」を廃止
すれば、今まで義務的に負担させられていた1兆円の使い道が自由になる。
地方の判断でこれを道路整備に充当すれば、ほぼ減収に見合う財源を確保
することが可能となる。
※ 民主党が政権を取った際には「高速道路の無料化」を実現する。
現在、高速道路がありながら料金が高くて地域住民が使えない例が多い。
これが一般道の渋滞を招き、結果バイパスの整備が行われる例が少なくない。
「高速道路の無料化」が実現すれば、このようなバイパス整備が不要となり、
道路整備の事業量が削減できる。
※ 平成20年度改正では、最終的な姿に向けた第一歩として、特定財源について
全ての暫定税率を廃止した上で、一般財源化を図る。
以下、私見。
道路特定財源を一般財源化し社会福祉、社会保障に充てるとする民主党の主張には
賛成である。与党のアプローチである消費税の福祉目的税化よりずっと筋がいい。
社会全体を俯瞰したとき、ほぼ整備された道路に追加で金を投じるよりもっと喫緊の
対象に金は振り向けられるべきである。
昨日今日のニュースで暫定税率廃止に対する民主党参議院議員の造反を報じている。
また民主党の都道府県連の中にも代替財源に不満を持つ地方組織は少なくない。
民主党にとって厳しい正念場ではあるが、政権を取るためには越えなければならない
ハードルである。
『ガソリンが25円安くなる』と説くだけではなく解りやすい丁寧な説明を繰り返し行ない
マスメディア・世論を味方につける努力がますます必要になってきた。
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