熱海市行財政改革会議
昨日火曜日に開催された平成20年度第1回熱海市行財政改革会議を傍聴するため
月曜日の夜、急きょ熱海に来た。
齊藤市長が力を入れている熱海市の最重要課題は①行財政改革、②観光振興である
ことはブログで何度も書いた。
行財政改革会議は、2名の学識経験者を交え、昨年4月から行われている。
会議は一般公開で行われており、今回はじめて傍聴した。
冒頭、齊藤市長から以下の趣旨の挨拶があった。
※ 昨年11月、平成23年まで向こう5年間の財政健全化プランを策定した。
”入りに見合った出”を施策のベースにすえ、財政破綻を防ぐことを第一義に
考え作成したプランの見直し作業を現在行っている。
※ 依然として大変厳しい状況にある。特に下水道会計が大きな負担となっている。
※ 外部環境の変化のために政策転換を余儀なくされるものも出てきた。
具体的には、社会保障費の増加、公立学校の耐震化工事のための費用。
※ 結果として、建て替えを計画していた新庁舎の建設は24年以降に延期する
ことを決めた。
市長の挨拶のあと、市の職員から行財政改革プランの見直し案の説明があった。
資料名に、<平成20年度ローリング案>と書いてあったのが気になった。
見直し案との意味である。役所言葉なのかどうか知らないが、何故一般的な用語で
ないローリングなどという言葉を使うのか理解に苦しむ。最近またカタカナの外来語の
乱用が問題になりはじめた。役所は民間以上に意識すべきではなかろうか。
見直し案説明後、ふたりの外部委員から鋭い指摘があった。
ふたりの外部委員は、九州大学大学院教授とPHP総合研究所の取締役。
主なる指摘は、
※ 市所有の未使用財産の売却をはじめ、保有資産管理のあり方に関連して、
財政再建のため市有地売却を掲げながら評価額を算出しないまま放置して
いることを鋭く指摘された担当幹部は、納得のいかない答弁に終始した。
自治体は資産を持たなくても仕事、行政サービスは出来るのではないかと
指摘された。
【注】大阪の橋下府知事が今年度の当初予算案を白紙に戻し、財政再建の
ための予算立案にあたり、『いまの財政状況では図書館以外はすべて
不要である』と発言したと、先日新聞が報じていた。
※ 新庁舎の建設について。
土地は市の所有で外部の業者に建設してもらい、リースバックする方式(年間
3億円、25年間支払、25年後に熱海市のものになる)に対し、リース料は
適切か、土地を持っている必要があるのかなどの指摘があった。
※ 給与カット(市長30%、副市長20%、職員平均8%)しているのであれば、
議員報酬のカットも考えるべきではないか。
※ 道州制は必ず実施される。(10年後の2018年という話が出ている)
道州制に対応した広域事業施策の検討は始められるべきではなかろうか。
※ 財政再建に向けた市のさまざまな取り組み、努力は大いに評価できる。
ただ、コストカット一辺倒でなく、次の芽を育てていく夢も合わせて持ちたい。
外部の専門委員が入って施策目標を議論する委員会は、齊藤市長以前はやられて
なかったことと思う。専門家の視点で市の施策が検証でき、また市の職員の刺激にも
なり、大変良いことであるとあらためて思った。
それとともに、行政サービスは今やまさに”行政経営”であるとの感を一層強くした。
財政改革とともに、「市役所の構造改革 8つの柱」の名のもとで、今年度から
市役所の事務事業の執行方法である行政そのものの改革もはじまった。
また、部門ごとの数値目標が決められ、個人の目標管理制度もとり入れられるようで
ある。枠取りはできてきた。あとは職員の意識の向上と前向きな行動を期待する。
9月で齊藤市長就任2年となる。
就任時の公約であった”新しい熱海つくり”に着々と手がつけられている。
2時から4時までホットな議論を聞き、このためにわざわざ熱海に来た価値は十分に
あった。
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