夫婦考(6:我が家の「女と男」)
「夫婦考」、今回が最終回。
我が家の『女と男』は、先日書いた朝日新聞の記事『女と男』とは視点が少々外れるが、
カミサンが6年前(ボクがリタイアした4年後)に書いたブログがいろいろ言い当ててるので
ないかと思い紹介する。
ブログのタイトルは『川の石とカニ』
カミサンがこれを書いた日、ふたりの間でホットなケンカがあった。原因はカミサンに
相談することなく勝手に、ボクの仲間を家に呼ぼうとしたことからだった。
かなり険悪な状態となり、その夜カミサンはこのブログを書いた。ボクは読んでちょっと
ドキッとした。ただ、ケンカはいつものとおりしばらくしたら何もなかったように治まった。
多くの団塊世代がリタイアしている。
このブログの物語のような話はどこの家庭にもありそうな気がする。
それにしても、秀逸作。
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石は川の急な流れにも負けず、周りのしぶきをいっぱい
かぶりながら絶えることのない水の流れの中で
がんばっていた。
一匹のカニが石の下にねぐらを求めた。
石とカニは仲良しになった。
石は友達がほしくて仕方がなかったのでよろこんだ。
「カニさん、ぼくのくぼみでいつまでも暮らしていいよ」、「ありがとう、私が役に立つ
ことがあったらお手伝いするからね」
時が経つと石はすこし石頭になってきて、それと同時にいばりんぼうになってきた。
「カニさん、ぼくは石で動けないので友だちをたくさん連れてきて」
「わかったわ、石さん」
カニは泡をふきながらザリガニや岩魚やフナなどを呼んできた。
「カニさん、ぼくは石だから料理ができないのでカニさんがみんなに料理を作って
あげて」
「カニさん、後片付けはカニさんがやって、だってぼくは石だから動けないからね」
「カニさん、洗濯と掃除もついでにしといてね。だってぼくは石だからできないから」
石頭の石はどんどんカニさんにいろいろな仕事を押し付けたので、年取ってきた
カニさんの足がとうとう一本取れてしまった。
カニさんは友だちだった石頭の石くんがいやになって、ねぐらを変えることにした。
友だちのうしがえるさんが浮き草に隠れた心地のいいくぼみをみつけてくれた。
ある日の夜、川の上流から一気に水が流れてくるとても大きな鉄砲水があった。
石頭の石さんは強い水の力でほかの大きな石にぶつかり、とうとう割れてしまった。
そして、水の中にある小石に混じってしまい、いばりんぼうの石頭の石くんだとわから
なくなってしまいましたとさ。
おしまい
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