倉敷にて
一昨日から郷里の倉敷に来て、弟の家に泊まっている。
最近、帰省したら毎回、岡山に住む妹夫婦が、オフクロも一緒にあちこち車で連れて
行ってくれる。
これまでに数えてみたら6~7回、吉備路や呉の大和ミュージアムなどに連れて行って
くれた。
昨日は、岡山市の中心部から車で1時間弱、備前焼きで有名な備前市の近くの
『岡山県自然保護センター』に行った。
湿生植物園、野草園、昆虫の森など自然をふんだんに
取り込んだ、広くてとてもすばらしい施設である。
50羽位はいると思われる丹頂鶴がケージの中で
飼われ、一部園内に放されていた。
園内を散策中、無心に何かの写真を撮っている
人たちに出会った。
聞いてみると、ヤゴから羽化するトンボの写真を撮って
くらいヤゴを探して見つけ、羽化するのをじっと待って、
その様子を写真に撮っているのである。
右の写真は羽化をはじめて30分後くらいということで
あった。
ひとりの人は、20年くらいトンボの羽化の写真を撮り
続けているそうで、世の中いろんな趣味を持った人が
いるものだと、あらためて思った。
『宗堂桜』という、地元では著名な八重桜を観ることが
できる場所があるということで、そちらに行った。
よくわからなかったが、説明によると花びらが普通の
八重桜とは違ってユニークとのことである。
実は、この宗堂という地名には大変旧い記憶がある。
宗堂には、遠縁の親戚が住んでいて、50年くらい前、小学校の低学年のころ、毎年
夏休みに弟と妹3人で遊びに来ていた。
親戚は、桃の栽培をしていて美味しい桃を食べたり、近所の子どもたちと遊んだり、
花火をしたり、近くの池で泳いだり、断片的な記憶が残っている。
『泳いでいたのは、この池だったはずだ。だとすると親戚
の家はこの道を下ったあのあたりではなかろうか』と、
妹と話が合う。近くで農作業をしていた女性に聞いた。
50年前の話がピッタリ合う。
訪ねようかどうか迷っていたら、その女性が、『訪ねてあげれば間違いなく喜びますよ。
私が一緒に行ってあげますよ』ということでお邪魔することにする。
家には3人の小さい子供のお母さんがいた。訪ねてきた理由と簡単な家系図を書いて
説明する。
我々が夏休みに遊びに来ていた当時、新婚早々のアキラさんというお兄さんがいた。
会った小さい3人の子供のお母さんはアキラさんのお孫さんであること、アキラさんは
75歳になること、当時お世話になった親戚の皆さんは既に全員亡くなったこと等、
アキラさんのお孫さんからいろいろ話を聞いた。
大変残念なことに、アキラさんは外出中で会えなかった。
アキラさんのお孫さんが、『もしよかったら写真を撮らせてください。オジイチャンが
帰ってきたら見せますので』ということで、近くの宗堂桜をバックに写真を撮ってもらった。
帰る際、オフクロの電話番号を書いて渡した。
早速、昨夜アキラさんからオフクロに『お会いできなくて残念でした』との電話があった。
今回の旅行では、40年ぶりに神戸の下宿の娘さんたちに会え、50年ぶりに遠縁の
親戚を訪ねる機会があり、すばらしい出会いがあった旅だった。
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