セミナー「今後の株式展望」
昨日、野村證券横須賀支店の開催するセミナーに参加した。
このご時世、参加者は満席。当然ではあるが、すべてと言っていいくらいシニア。
講師は投資情報部の元気のいい課長。いま証券会社がやるこの手のセミナーの
講師は元気がいいことが必須。
全体的には面白い内容だった。
個別銘柄の話が何度か出たが、このようなセミナーで最近は推奨銘柄を明示する
ことはなくなったし、個人的にも期待していない。おそらく多くの参加者がマクロ的な
見方を知りたいはずである。
話は日米の直近の株価推移からはじまった。推移を見て、ニューヨークダウの急落が
実際にはじまったのは9月29日、下院で金融安定化法案が否決されたのがきっかけ
だったことをあらためて思いだした。
主要国が軒並みに下げてきた政策金利、下方修正してきたGDP成長率予想が具体的
数字で説明された。
それに対応して各国がとってきた公的資金の投入状況について細かく説明があった。
IMFの試算では全世界で必要な公的資金の投入額は140兆円。米国が既に決めた
投入額は102兆円。日本は5兆円(GDP500兆円の1%)。
一方、中国は2年間で57兆円の公的資金を投入すると一昨日発表した(GDPの1/5)
※今朝のテレビニュースで、中国政府は輸出企業を支援するため1兆8千億円の
減税をすることを決め、加えて人民元の引き下げを検討すると報じていた。
中国は世界が混迷するこの機に主要国に先んじて一気呵成に勢いをつけようと
している感じである。
次期大統領のオバマ氏に関連した話もいろいろ出た。
オバマ政権はアメリカ立て直しの柱として以下の3つを推進していくのではなかろうか。
ひとつ目は、ITの一層の振興。
ゴア元副大統領が提唱した情報スーパーハイウエイ構想に刺激されてインターネット
が爆発的に普及したことは有名。(オバマ氏のブレインにグーグルのCEOエリック・
シュミットが入っている)
ふたつ目は、ニュー(orネクスト)ニューディールによる新しいインフラの建設。
これはイラクから撤退してくる兵士のための新規雇用創出にも役立つ。
みっつ目は、環境・クリーンエネルギーで世界のリーダーになること。
これは日本の先進技術と組んでという可能性がある。
さすが証券会社のセミナーと思わせる説明もあった。
日本・米国・英国・中国の名目GDP(経済規模)と株式時価総額の相関推移が
グラフに示されていて、08年は4カ国いずれも両者の間に相当の乖離があり、実態
経済規模に比べ時価総額が著しく下落している(中でも日本が一番乖離幅が大きい)
あまりにも過度に株価が反応、下落して、株価は実態以上に安いということを暗に
示していて、中長期的には買いであると言いたいのである。
混迷のこの時期、いろんな意味で参考になる話が聞けた。
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