映画「氷雪の門」
どうしても観たい映画だった。
フルタイトルは「樺太 1945年夏 氷雪の門」
映画が完成した36年前、ソ連の圧力によって封印された幻の名作である。
一般館では上映されていなく、神奈川県では横浜にあるミニシアター ジャック&ベティ
だけ。初めて行った映画館だが一般館ではかかっていない興味ある国内外の作品を
上映している。今後、ジャック&ベティの上映映画を定期的にチェックしたい。
「氷雪の門」の紹介にはこう書かれている。
『1945年8月20日 樺太で失われた9人の電話交換手の乙女たちの命 これは
時代に圧殺された真実の物語』
テーマが戦争、樺太ということでお客の大半は年配者だった。
1日に1回しか上映していない。そのため混み具合が気になって事前に電話した。
『毎日いっぱいなので、上映の30分前には来てください』とアドバイスされた。
予想通り、感動的な作品だった。(gooポイント 96点)
8月15日戦争が終結したあと「日ソ不可侵条約」を破り、ソ連軍は敗戦国日本へ
激しい攻撃を繰り返し、兵隊や軍事施設だけでなく、情け容赦なく民間人たちをも
殺戮した。
終戦後に樺太に侵攻し続けた事実が公になることを恐れたソ連は、映画が劇場公開
されようとした36年前、ソ連大使館を通じ抗議し、急きょ劇場公開が中止された。
8月20日、映画の舞台となった真岡町の沿岸にソ連艦隊が現われ、艦砲射撃を
開始し、町は戦場と化した。逃げまどう人々、鳴りやまない電話。電話交換手の
彼女たちは最後まで職場を離れようとしなかった。取り残された9人の乙女たち。
たった1本残った回線から聞こえてきた最後の言葉は・・・
平穏な暮らしを踏みにじる戦争への激しい憎悪、平和を慈しみ尊ぶ心の大切さを
あらためて深く心に刻ませてくれた作品であった。
最近のコメント