映画「ハート・ロッカー」
米アカデミー賞の授賞式が日本時間で一昨日8日午後行われ、「ハート・ロッカー」が
作品賞を受賞した。
「ハート・ロッカー」の国内上映開始は6日だった。作品賞にノミネートされていることは
事前に報道されていたので、受賞発表前にどうしても観たかったが、都合がつかず
受賞後となった。
今回のアカデミー賞は話題が盛りだくさんだった。
先ず、作品賞にノミネートされ受賞が有望視されていたのは、ジェームズ・キャメロン
監督の「アバター」とキャスリン・ビグロー監督の「ハート・ロッカー」。ふたりは元夫婦で
元夫婦対決として話題になった。
結局、キャスリン・ビグロー監督が女性として初めて作品賞を受賞した。
「ハート・ロッカー」は、イラクに駐留するアメリカ軍の中でも最大の危険を伴う爆発物
処理班の兵士を描いた作品。
自身がモデルだと主張する米兵に裁判を起こされ話題となっている。裁判を起こした
曹長は、”ハート・ロッカー(The Hurt Locker)”という造語も自分が考えた言葉だと
主張している。
「ハート・ロッカー」を観て、さすがアカデミー作品賞を受賞した映画であると思った。
戦争がもたらす狂気と中毒性(映画の冒頭で”戦争は麻薬である”と)を息詰まる
ような緊迫感で描いた作品。
2時間15分、最初から最後まで緊張と興奮の連続であった。
報道でよく見聞きする『自爆テロでXX人死亡』の過程が目の前に描き出され、
これまでは深く意識することなく見聞きしていたニュースを、今後は間違いなく
より身近なものとしてとらえられることになるだろう。
戦場、戦争はまさに”狂気”である。なぜ人間はいつの時代もこのような狂気に
走るのだろうと思うと同時に、このような”狂気”を経験した人たちが社会へ復帰する
ことは極めて困難であるとも思った。
きっと長く心に残る映画になることだろう。
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