映画「沈まぬ太陽」
評判の映画、山崎豊子原作の「沈まぬ太陽」を観た。
長編作品の映画化のため、何と上映時間、3時間半の大作。途中10分間の休憩。
こんな長い映画をゆっくり観れるのは、定年退職者か子育ての終わった女性くらい。
案の定、平日の昼間、ほとんどそういう客層だった。
作品そのものは、3時間半の時間を感じさせなかった。
日本が高度経済成長を実現し、世界経済の頂点へと上りつめていく時代に、巨大組織
の中で翻弄されながらも、強い信念と不屈の精神をもってどんな過酷な状況をも克服
していく男の姿を描いた社会派ドラマ。
不遇に耐え、不条理に挑み続ける骨太な男の生きざまを見事に演じられる役者は、
渡辺 謙おいてないのではと思った。
「組織と個人」、「企業の社会的責任」がしっかり表現されていた。
85年8月に起きた日航ジャンボ機墜落事故が作品の中心にすえられている。
映画は、日本航空の企業としての内部体質の本質を鋭くえぐり出している。
最近連日のようにマスメディアが取り上げている「日本航空問題」を引き起こした
企業体質をまさに想起させた。
今年観た日本映画では、お勧めできるベストの作品。
Gooのポイントは71だが、ちょっと過小評価では。
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以下、余談。
日本航空123便墜落事故では、乗員乗客524名のうち520名が亡くなり、生存者は
4名であった。生存者のうちひとりは、当時12歳だった川上慶子さん。同乗していた
ご両親と妹さんは犠牲となった。
事故からしばらく経ったころ、会社の仲間がどこで手に入れたのか、『お守りになる』
と言って、川上慶子さんの航空券のコピーをくれた。
川上慶子さんをネットで検索してみた。
今は結婚し、会社員の夫と息子さんの3人で、幸せな生活を送っているそうだ。
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