アメリカ食事情
しばらく前のラジオ英語講座で話題になったアメリカの食事にまつわる話をふたつ。
ひとつ目は、「朝食のスタイル」
アメリカ人の朝食のスタイルは近年、大きく変化しているそうだ。
かつては10人に9人が欠かさずとっていた朝食は今は3分の1程度。
同時に、社会生活も変わってきており、まず、幼い子を持つ働く母親が増えてきている。
彼女たちは朝食を用意し、子供たちを学校や保育園に送ったあと仕事に行くので、時間の
節約が大きな課題。
そのため、1日の初めに家族が朝食のテーブルを囲むことが以前ほど一般的ではなくなった。
ある調査によれば、アメリカ人が朝食に費やす時間は、平均12分とのこと。
そのため、ゆっくり座ってとる朝食よりも、ベーグルやサンドイッチやドーナツなど簡単な
朝食が好まれる傾向にある。
アメリカでは一番の健康食品はヨーグルト。中でもギリシャヨーグルトという名前で知られる
ヨーグルトが特に人気。普通のヨーグルトに比べずっと濃厚で、たんぱく質の含有量が
いくぶん多く、脂肪分がいくぶん少ないため。
健康志向で、炭水化物が少なく、カロリーが低く、たんぱく質の多い朝食が人気。
また、オレンジジュースは消費量が減少しており、ザクロや食用ビーツのジュースが好まれる
ようになってきているとのこと。
全体的に日本人の食事性向と変わらない。
もうひとつの食事にまつわるテーマは、「食物を粗末にしない」
平均的なレストランが1年間に捨てる食べ物は20トン、そのうち30%は食べ残し。
世界で毎年生産されているすべての食品の約1/3、重さにすると約10億トン、額に換算
すると1兆ドルの食品が廃棄されているそうだ。
無駄にする食べ物がそれだけあれば、世界の飢餓を4度一掃できるとのこと。
講座で話題になったのは、レストランで食べきれなかったものを持ち帰るドギーバッグ。
飼い犬に食べさせる名目で持ち帰ることからドギーバッグと呼ばれる。
オーストラリアに駐在していたとき、レストランで食べ残したものをよくドギーバッグにして
もらっていた。ドギーバッグはたいてい翌日の朝食や昼食になった。
最近日本では、「フードバンク」と呼ばれる団体活動がはじまった。
フードバンクは、食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等へ
無料で提供する活動。
食品・食材提供元は食品企業にとどまらず、農家や一般家庭も含まれる。
ねらいは、食品ロスの削減と食品・食材の有効活用。
フードバンクの設立は2000年以降はじまり、徐々に全国に広がりをみせはじめているものも、
認知度はまだまだ低い。
食に問題をかかえている人の数、家族はますます増えてきている。
各種メディアを通し、フードバンクの活動を紹介・告知していくことが大変重要になってきている。
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