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2008年3月10日 (月)

映画『シッコ SiCKO』

観たかったのに観逃していた映画、『シッコ SiCKO』を観る機会が運よくできた。

ミニコミ紙のタウンニュースで、横須賀医師会主催で上映するとの記事を見つけ、

これはゼッタイ行こうと思い、記事の切り抜きをとっておいた。

土曜日13時半開場、14時開演。会場は百貨店さいかやホール。定員200名

先着順との案内。

これは間違いなくいっぱいになるなと思い、開場と同時に行った。

案の定、定員いっぱいになり入れなかった人もいたようだ。お客は圧倒的にシニア。

予想通り、大変面白い映画だった。

9・11同時多発テロ以降のアメリカ社会をテーマに、ブッシュ政権の実態に迫る

ドキュメンタリー「華氏911」で一躍有名になったマイケル・ムーア監督作品。

『シッコSiCKO』はアメリカの医療保険制度にメスを入れたドキュメンタリー。

ユーモアを武器に社会の矛盾に鋭く斬り込む作家兼映画監督のマイケル・ムーアが

医療の最前線を突撃取材した作品。

先進国で唯一、国民健康保険制度のないアメリカでは5千万人、6人にひとりが

無保険者。

医療費を払えないがために、毎年1万8千人の人たちが治療を受けられず命を

落としているとのこと。

入院は1泊25万円、盲腸の手術は90万円と聞いたことがある。

そんな深い病巣を抱える超大国の医療保険制度の現場に、マイケル・ムーア監督は

鋭く切り込んだ。

問題の根幹はただひたすら営利を追求する保険会社と、それを許し、癒着している

政治。加えて広がる格差社会、それに弱者に手を差し伸べることへの意識の低下。

最近の日本の実情を見るようだった。

前半、これでもかこれでもかという感じで暗澹たる気持ちになってしまうほど実例が

取り上げられた。

途中から、カナダ・イギリス・フランスの医療保険制度がアメリカに比べいかに国民の

目線に立ったものであるかを、これまたこれでもかこれでもかと紹介していた。

最後はアメリカの敵国で多くのアメリカ人が見下すキューバでいかに医療保険制度が

充実しているかを示すことでダメを押した。

もちろん大半の国民は自己責任で医療保険に入っているアメリカであり、また、

マイケル・ムーアのバイアスのかかった視点でストーリーは作られていることは認める

ものの、比較された国々に比べ、アメリカ社会の厳しさ、冷徹さ、特に弱者切り捨て

(もちろん他の国でも起きていることであろうが)を作品全編通して感じた。

もちろん、これがマイケル・ムーアの狙いである。

結局行きつくところは”国の形つくり”、その道づけをする政治がキィなんだと、

あらためて思った。

観終わって、単純に彼我の医療保険制度を比べるというだけでなく、日本は本当に

このような国にただひたすら追随していていいのだろうか、もっと自らの意思で

”国の形つくり”を考えていかないと、墓穴を掘り、取り返しのつかない状態になって

しまうのではなかろうかと強く感じた。(既にかなり危険水域に入っているが)

マイケル・ムーアが並べて比較した国は、日本よりずっとしっかりした意志を持って

”国の形つくり”をやっていることであろう。

数十年のスパンで考えると大変な差が出てくることは明々白々である。

日銀の総裁選び(ごとき)で対立し、我を張り歩み寄ろうとせず無駄な時間を費やして

いるこの国の政治に未来があるとはとても思えない。

いろんなことを考える機会を与えてくれた映画であった。

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