生命(いのち)のメッセージ展
『生命のメッセージ展』および主宰されている鈴木共子さんのことは、これまでに
何度かブログに書いた。
一番最近では12月11日のブログに、『生命のメッセージ展』の紹介とともに
『生命のメッセージ展』が早稲田大学で開催され、鈴木さんをモデルにした映画
『0(ゼロ)からの風』が制作中であることを書いた。
『生命のメッセージ展』は、交通事故や犯罪等により理不尽・不条理に命を
絶たれた人たちのかけがえのない大切な命の証をたどり、いのちの重さを
訴えることを趣旨に、全国各地で行われている展示活動である。
2001年にこの活動をはじめたのは、座間市在住の造形作家の鈴木共子
さん。鈴木さんは、2000年4月、母ひとり子ひとりの中で育てられた最愛の
息子零くんを交通事故で亡くされた。
無免許・無車検・スピード違反で酔っ払い運転の加害者が起こした極めて
悪質な事故であった。
零くんは1年浪人し早稲田大学に入学した。初めての授業を翌日に控えた日
友人と2人で歩道を歩いていたところへ飲酒運転の車が突っ込んできた大変
痛ましい事故だった。
悲しみのどん底の中、鈴木さんは立ち上がり、交通事故や犯罪等により
理不尽・不条理に命を絶たれた全国の被害者に呼びかけ、2001年に
『生命のメッセージ展』は始まった。
いよいよ映画『0(ゼロ)からの風』が完成し、昨夜試写会があった。鈴木さんから
招待していただき、カミサンと友だちの女性のNさんの3人で早稲田大に観に行った。
今年は早稲田大学創立125周年記念の年で、『0(ゼロ)からの風』はその記念に
たくさんの企業が支援し制作された。
試写会の模様は今朝のNHKテレビでも放映されていた。
昨夕は17時開場、17時半塩屋監督・出演者と鈴木共子さんの舞台挨拶、18時
上映開始。
鈴木さん役の田中好子さんは大変熱演で好演であった。鈴木共子さんの雰囲気が
とてもよく出ていた。映画は鈴木さんがモデルとは言えフィクションである。
ボクが鈴木さんと知り合ったのは零くんの事故の1ヵ月後。それからずっと節々の
鈴木さんを見てきた。
事故の翌年にはじめられた『生命のメッセージ展』、刑法改正のための署名活動、
危険運転致死傷罪の立法化、早稲田大学受験の決意、3度目の挑戦でみごと合格、
早稲田大・国会ほか全国で『生命のメッセージ展』の開催、『0(ゼロ)からの風』、
早稲田大卒業・・・
零くんの遺した参考書を使い、零くんが付けたマーク箇所を中心に勉強した英語が
鈴木さんにとってどれほど大変だったかは、鈴木さんから何度も電話で聞いた。
数日前、鈴木さんからメールが届いた。
『今日私はマスコミ向けの試写会で初めて映画を観ます。不安と期待です。
25日が卒業式です。卒業式前夜祭で「稲魂賞」なるものの受賞式があるそうです』
返事のメールを送った。
『ご卒業おめでとうございます。心よりおよろこびを申し上げます。零くんの事故から
7年。共子さん、あなたがあれからここまでたどりついたことに対し言葉では到底
言い表せない感動と感激を他人のボクですらおぼえるのですから・・・
試写会でお会いできること、楽しみにしています』
『0(ゼロ)からの風』は5月12日の早稲田松竹での上映を皮切りに、全国の公共
施設などで上映される予定。
飲酒・悪質運転が大きな社会問題になっている昨今、近くで上映される折にはご覧に
なってはいかがでしょうか。
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