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2006年12月15日 (金)

映画『硫黄島からの手紙』

11月17日のブログで映画、『父親たちの星条旗』のことを書いた。

『父親たちの星条旗』はアメリカ側の視点でとらえた硫黄島の戦い。

『硫黄島からの手紙』は同じクリント・イーストウッド監督作品で日本側の視点から

とらえた全編日本語の映画。

すばらしい映画であった。最近みた映画の中では文句なくベストである。

終戦から60年以上たった今、すごい反戦映画ができたものであるとの印象を持った。

両作品とも戦争のむなしさと戦争には英雄はいないということを、ひたすら訴えている。

硫黄島からの手紙』は全米映画批評会議の最優秀作品賞に選ばれたそうで、

米国でも注目を集めていることがよくわかる。

『硫黄島からの手紙』は硫黄島守備隊の総指揮官 栗林忠道中将を中心に、作品の

ほとんどが最前線を描いている。

日本人が撮ったらもっとセンチメンタルになったかもしれないが、イーストウッド監督は

徹底して即物的に描いている。

殺すか殺されるしかないという戦争の実態、その即物的な残酷さを醒めた目で凝視

している。日本兵たちの集団自決シーン、米兵による捕虜虐殺シーン、はしゃいで

船から転落した仲間を見捨てる米兵・・・

多くの日本映画に見られるように涙を感傷として流さず、悲しみを別の感情に向かわせる。

許せないという怒りへ。

硫黄島の戦闘は終戦半年前の45年2月。敗戦濃い中、太平洋戦争最大の激戦と

言われた。2万3千の日本兵に対し、15万に近い圧倒的な米兵力と豊富な兵器。

5日で終わるだろうと言われた戦闘は36日におよぶ歴史的な激戦となった。

日本兵の生存者は10人と言われている。米兵も3万人近くが死傷した。

全編、戦争の不条理さと悲惨さ、それに人間としての兵士が表現されている。

栗林忠道中将を演じた渡辺 謙には国際スターの風格を感じた。

後半は涙が止まらなかった。戦争で亡くなった多くの若者を想って出てきた涙だった。

終わったあとしばらく席を立てなかった。

『硫黄島からの手紙』をみたあと読もうと思って買った栗林中将について書いた本

散るぞ悲しき』(著者 梯久美子、新潮社)を読みはじめよう。栗林中将が家族と

やりとりした多くの手紙が紹介されている。

   ~~~~~~   ~~~~~~   ~~~~~~   ~~~~~~

余談であるが、奇しくも今日防衛庁の省昇格が国会で決まった。

これにより、海外派遣は自衛隊にとって本来任務となる。

安倍首相は集団的自衛権の解釈変更や、自衛隊の海外派遣を容易にする恒久法

制定に積極的である。

専守防衛のあり様、はては核武装の必要性についてまで云々されはじめている。

徐々に軍備が拡大したり、自衛隊が暴走したりすることはないのだろうか。

戦争の虚しさ、悲惨さ、不条理さをこれでもかこれでもかと見せつけられた同じ日に、

先々に大きな不安をおぼえるニュースを聞き、この国は本当に絶対に2度と同じ過ちを

繰り返えすことはないのだろうかと、そこはかとない不安を感じるのはボクだけ

だろうか。。。

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コメント

<先々に大きな不安をおぼえるニュースを聞き、この国は本当に絶対に2度と同じ過ちを繰り返えすことはないのだろうかと、そこはかとない不安を感じるのはボクだけだろうか。。。>
不安を感じる人がどれだけ居るのでしょうか?私は、不安を超えて、恐怖感に襲われています。
「前夜」と言う季刊雑誌がNPO法人から発行され、次の通り記されています。
『破局前夜が新生前夜となる、
 戦争前夜が解放前夜となる、
 その希(まれ)なる望みを、私たちは棄てない』
次の世代に、本当の平和を残せるかどうかの瀬戸際に立たされていると感じています

一市民さん

コメントありがとうございました。

「次の世代に、本当の平和を残せるかどうかの
瀬戸際に立たされていると感じています」

まったく同感です。

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