北陸の旅(4)
『能登の庄』でゆっくり温泉に入ったあと向かったのは、車で15分くらい走ったところに
ある千枚田。約3500坪の急斜面に、千枚の田んぼがある。小さいものは車椅子が
置けるくらいの広さとのこと。
機械を使うことはできず、すべて手作業。維持していくご苦労は大変なもので、経済性
から言えば割りに合わないかもしれないが、祖先から引き継がれたすばらしい景観の
田んぼをぜひ残してもらいたいと思いながら、海に向かって広がる田んぼの風景を
楽しんだ。
千枚田のあと、前日の足湯で地元の皆さまから行くことを勧められた国の重要文化財
『時国家』を訪れた。
能登半島の先端に近い辺鄙な場所にあり、平日だったせいか、訪問客は我々だけ
だった。そのため、じっくり説明を聞くことができた。
時国家の初代は、壇ノ浦の合戦で破れ、能登に流された平時忠。
裏庭に安徳天皇を祀った祠があった。
現在の当主は24代目。
茅葺き入母屋造りで13間の部屋があり、総面積は108坪。
邸宅とともに重要文化財の庭園は2000坪。椎の古木がうっそうと茂る回遊式庭園で
建物との調和が見事である。
1尺5寸角の太い大黒柱や巨大な梁組のこれほど豪壮な邸宅が、この辺鄙な奥能登に
建てられたとは。 説明を聞きながら、しばし歴史と浪漫に浸った。
時国家を後にし、金沢の宿に向かった。
小松空港から奥能登、帰路金沢まで、2日間で350キロのドライブであった。
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