5月15日のブログ、『昨日届いた2通のうれしいメール』で、4年くらい前に一緒に仕事を
していた女性のAさんのことを書いた。
Aさんは、英語・フランス語が堪能で、3年くらい前に会社を辞めて、愛知万博で
5ヶ国語のウエッブサイトの開発・維持管理および5ヶ国語のメーリングリストの運営に
携わった。万博終了後は、世界的に有名なスエーデンの家具メーカで、4月に船橋に
日本の第1号店をオープンしたことで話題となっているIKEA Japanに入った。
Aさんから、『相談したいことがあるので会いたい』との連絡があり、横浜で
食事をした。いろいろ面白い話をしてくれたので紹介する。
先ず、会ってすぐ、『最近すごいエキサイティングなことがあったので、先ず
それから聞いて!』
私は聞いたことがなかった人だが、大変著名なフランス人シェフのジョエル・ロブション
さんと知り合いになり、恵比寿のシャトーにあるロブションさんのレストランでご馳走に
なったそうだ。Aさんの話では、三国シェフ(この人の名前は知っているが)など、
ロブションさんの前では緊張してしゃべれなくなるくらい超カリスマシェフとのこと。
ロブションさんは年に2度くらいしか日本には来ないらしいが、Aさんはフランスにいろいろ
関わり合いを持っている関係で、ロブションさんとはフランス映画祭のプライベート
パーティで最初に出会ったそうである。フランスにいたときテレビの料理番組でロブション
さんをよく観ていたので、すぐわかって話しかけたそうだ。それが縁でロブションさんが
来日した先日恵比寿に招待されたとのこと。
ロブションさんは正式な料理をつくるときは、18種類の料理を用意するそうである。
恵比寿でも食前酒からはじまり、18種類の料理をいただき、大感激だったと大変興奮
しながら話してくれた。
いま勤めているIKEA Japanについても面白い話をいろいろしてくれた。
IKEAはスエーデンの家具のメーカで、世界33カ国に220店舗を持っているそうだ。
Aさんの話を聞いて、IKEAのお客の心理をつかんだビジネスの仕方に大変興味を
持った。
Aさんは選ばれた4人とともに、船橋店オープンのため、6週間アメリカでIKEAビジネスに
ついてみっちり研修を受けた。
ゴールデンウイーク直前にオープンした船橋店は、1日の売上が世界一を記録したそうだ
売り場面積は何と東京ドームひとつ分。その土地は全部自前で調達。
ゴールデンウイーク中は入店するのに2時間待ちだったそうだ。
1階は家の中に必要なあらゆるものが置いてある。しかも色・柄・形の種類は豊富。
2階には家具が部屋の様式と家族構成に合わせて置いてある。例えば、3人家族の
リビングルームとか子供がふたりいる家族のダイニングルームとか、この部屋の様式が
80種類(1部屋6畳程度の広さ)近く用意されている。
入店したお客さんは先ず2階に上がらせる。1階は単価が安いものが多く、お客が1階で
疲れてしまって2階に行かないとまずいので、先ずは2階へ。商品のバリエーションが
多すぎて、なかなか決まらない。そのうちお客さんはくたびれる。そこで、1階に降りる前の
場所にレストランがある。ここで食事しながら家族で話せば、多くのお客が決断する。
また、2階の家具を見たあと、1階の家庭用品を見れば、商品の値段が全て安く思える。
お客の心理にうまく働きかけ、巧みにマインドコントロールしている商法である。
商品は安く、クオリティは高いとのこと。家庭用品は中国・タイ・ベトナム・インドネシアの
3500のサプライヤが作っていて、それらをすべてIKEAブランドで供給している。
IKEAは高収益を上げていて、創設者のスエーデン人オーナーは世界の高額納税者の
トップ3~4位だそうだ。
Aさんはいま、9月にオープンする予定の2号店・横浜港北店の準備に関わっている。
職場のまわりはほとんどがスエーデン人。日本人は数人。会社の中はすべて英語。
AさんはIKEAには長居するつもりはなく、現在数人で準備を始めている新しいビジネスに
近いうちに移るだろうと話していた。この新ビジネスも大いに期待できそうである。
前回彼女に会ったのは、万博準備で多忙を極めていた1年少々前。
会うたびに人脈を広げ、その人脈を活かし次々に新しいことに挑戦し、器がどんどん
大きくなっているのを感じ、大変頼もしく、またうれしく思った。
6時から11時まで話していたが、あっという間の5時間だった。
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